KOBE JAZZ STREET 神戸ジャズストリート

ストリートへ行こう(末廣光夫のジャズエッセイ)


 
ギャラリー
トピックス
過去のジャズストリート

ストリートへ行こう 末廣光夫のジャズエッセイ
2009/11/9更新

 

 

ジャズエッセイ

見どころ聴きどころ沢山・・・それを絞れば・・・

 

神戸・阪急三宮駅の北側広場では、午前10時過ぎには一年この日を待ちかねていたように、ジャズの善男善女が集まり出す。お互いに交わす挨拶は「今日もお天気で良かったですなあ こういうのをジャズ日和というんでしょうね・・・」と。
やがて定刻11時前になると、マーチング・ジャズバンドのメンバー達が集まってきて、 まず景気づけに一曲演奏が始まると、広場は人垣で溢れかえるわけだが、 もうこのときから各メディアをはじめアマチュア・カメラの放列となる。
さあ、そこでの見どころ、いや見せどころは、今回初めての神戸ジャズストリート特製のアンブレラ(日傘)を配って、パレードをニューオリンズ風に盛り上げようという趣向。これには数に限りがありますから、争いにならないように・・・。
そして本部までのパレードが終わると、そこからは思い思いの各会場へ。さ〜て、どこへ行ったら良いやら。ならば今年のポイントを教えてしんぜよう。

ライン川にジャズは流れる
Echoes of Swing (ドイツ)
9日 11:00〜11:40 (Midnight Sun)

ドイツからの四人組のスイングバンドが初来日しての演奏を披露。
Tp. Alt. P. Ds. という編成だが、プロデューサー自らオランダで実力を
確かめてきたというから、それを信じよう。
加えて若い女性好みのマスクの持ち主と来るから騒がされそう。

北欧のジャズも素晴らしい!
Hot Jazz Trio (スウェーデン)
9日 11:00〜11:40 (CROSS)

トラディショナル系のバンドといえば七人編成というのが定番だが、
このトリオは、Tp. Bjo. BassSaxという変わりよう。
とくにTp. のベント・パーソンは、北欧だけでなく世界を見渡してみても
1920年代のジャズスピリットを持ったプレーヤーは彼をおいていない。

ニューオリンズからの歌の贈り物
歌 トップシー・チャップマン ニューオリンズ・ラスカルズ
9日 13:10〜13:50 (神戸外国倶楽部)

神戸ジャズストリートの出演は、今年で二度目。ラスカルズの河合良一さんが
最も惚れ込んでいるニューオリンズからのシンガー。
それもゴスペル風な歌が得意だから、日本でのこのチャンスは見逃せないはず。

日本で初のBIXのジャズを再現
BassSax F.ショーストローム
ディキシーランドハートウォーマーズ
9日 13:00〜13:40 (レストラン・ソネ)

BIXとは伝説的なコネット奏者のビックス・バイダーベックのこと。
彼の全盛時代は短いながら、名盤は多い。
ところがこれを忠実に再現しようとすると、バスサックスが欲しい。
亡き平生舜一さんとの生前の約束を果たそうと、スウェーデンから呼び寄せた、
この楽器の名手フランス・ショートストローム。
折しも20年代にビックスと共演していたアドリアン・ロリーニが生誕百年に当たる年でもあり、重ねて故平生さんの追悼演奏としたいもの。

C.ベイシーの生誕百年を記念して
飯田英憲とフレッシュメンジャズオーケストラ
9日 13:10〜13:40 (神戸女子大教育センター)

カウント・ベイシー生誕百年とくると、このジャズオーケストラの出馬を願いたい。
それは静岡県磐田市にホーム・グランドをもつ<飯田英憲とフレッシュメン・ジャズオーケストラ>だ。
なにしろ40年にわたってベイシー・サウンド一辺倒でのキャリア。
その名声?をC.ベイシーが知って、1982年だったか日本公演のオープニングを浜松に指定して、浜松駅の駅前で歓迎演奏をやってベイシーさんを喜ばせたという話も有名。
20年ぶりのジャズストリートの演奏に大いに期待しても良い。プロも顔負けの演奏をするはず。

ファッツ・ワーラーも生誕百年記念
ニューオリンズ・レッドビーンズ
9日 16:10〜16:50 (中華会館)

ファッツ・ワーラーのピアノ・スタイルを再現するのは容易ではないが、その作品を取り上げてやるのは、
歌手たちも演奏者たち、とくにスイングバンドなら出来そう。
ところがニューオリンズ・スタイルのバンドがやるとなると、これは聴きもの。
40分のステージをどんな曲で綴るのかも楽しみなものだ。

日本VSスウェーデンのバンド合戦
ディキシー・キャッスル HOT JAZZ TRIO
10日 13:10〜13:50 (神戸外国倶楽部)

ここに競う両者は、楽器は若干違っても似たような編成が注目される。
日本の<ディキシー・キャッスル>は、Tb. Bj. Tubの編成。
そして<HOT JAZZ TRIO>は、Co. Bj. BassSax. だから面白い。
コルネットとバスサックスの微妙なからみがいいか。
トロンボンとバンジョーの綾なすのがいいか。
それぞれの好みによって軍配が上がるだろうが・・・。

2台のスタンウェイのピアノは光っています
Echoes of Swing 小川理子 井桁賢一 及川義弘 出口辰治
10日 14:00〜14:40 (レストラン・ソネ)

外国のジャズ・フェスティバルでは、ピアノの名器どころか、グランドピアノにお目にかかることも珍しい。
海外から演奏家が神戸に来て、口を揃えて言うに「ピアノが素晴らしい!」と。
しかも、ここには2台の舶来ピアノが並ぶわけだが・・・。
さて、ここでの聴きものは、小川理子さんと<Echoes of Swing>からのピアニストとのデュオが楽しめる。
それもストライド奏法で聴かせると言うから本邦初演といってもいい。

ジミー・ドーシーも生誕百年
宮本直介とHip Bop
10日 12:00〜12:40 (Green Dolphin)

気がつかなかった。これを教えてくれたのは宮本直介さんだ。
凡そ、このグループはモダンな演奏が持ち味だし、まさかジミー・ドーシーの
ジャズを掲げるとは想像もつかなかった。
ならば、この日はジミー最大のヒット曲の<Amapola>が聴かれるのだろうか。

アイリッシュの歌で綴る
T,U,T,エクスキャリバーズ
10日 13:10〜13:50 (新神戸・バーレスカル)

アメリカン・フォークソングを得意とするグループだが、最近になって、
米国のクランシー・ブラザースのレパートリーを組み入れるようになった。
ということは、アイリッシュのメロディが聴かれるわけ。
アメリカン・ポップの源流はアイリッシュとみてもいい。
あの<スターダスト>の名曲を生んだホーギー・カーマイケルは、
その奥底にはアイリッシュ・メロディが潜んでいるわけだ。ぜひ、お耳を。

ホットなフィナーレ・セッション
A.トロメレン B.ブーレン 右近茂 原田靖 B.テグラー・カルテット
10日 16:10〜17:00 (神戸電子専門学校ソニックホール)

オランダ勢と日本勢の4人のフロント、そしてリズムセクションに隠れた逸材がパオロ・アルデリッギー。
彼こそ今年の「神戸ジャズストリート賞」を得た、若干24歳のイタリアのピアニスト。
このステージに限らず、二日間追い回しても損はない。
ファッツ・ワーラーの生まれ替わりといってもいい。

ジャズエッセイのトップへ戻る

このページのトップへ

このページのトップへ

Copyright(C) KOBE JAZZ STREET All rights reserved.